2023/03/24 社会 コミュニケーション

Tele-Barista(NEXTAGE)技術スタッフインタビュー 「DAWN ver.βで語る!」(その4)

2022年6月、東京・日本橋にオープンした「 分身ロボットカフェ DAWN ver.β(以下「DAWN」)」は、テクノロジーによって、人々の新しい社会参加の形の実現を目指しています。

テレバリスタ(Tele-Barista)プロジェクト」から、主に「NEXTAGE」側の開発に携わった川田テクノロジーズおよびカワダロボティクスのプロジェクトメンバーにインタビューする「DAWN ver.βで語る!」シリーズ。第3回は、カワダロボティクス 技術部 の 大谷 優 さんです。





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●Profile● 大谷 優 さん

おおたに・ゆう ● カワダロボティクス株式会社 技術部技術二課。テレバリスタ開発初期のデモセットの設計・製作と、ロボットの動作プログラムの作成を担当している。



技術スタッフが教えるテレバリスタ体験ポイント!
「NEXTAGEがフレンチプレスを押し下げるときの力加減やスピードにご注目ください。淹れたてのコーヒーを口に含んだときに雑味がなく、よりおいしく感じていただけるよう、試飲を重ねながら押し下げ動作の圧力設定を調整しました」



――テレバリスタプロジェクトで最も気をつけたことはなんですか?

大谷:

何よりも安全性です。テレバリスタはパイロットが遠隔で高温のお湯を取り扱うため、熱いお湯入りのケトルで目の前にいるお客様がけがすることがないように、ケトルを動かすときの姿勢や注ぎ口の向きの制御については慎重に調整しました。



――NEXTAGEはもともと産業用として開発・利用されているロボットですが、テレバリスタプロジェクトでは、これまでの産業用ロボットとは異なる改良をされたと聞きました。このあたりで苦労した点はありますか?

大谷:

交換不要のハンド(手先)の設計にはとても苦労しました。テレバリスタNEXTAGEでは電気ケトルやフレンチプレスなど、いくつもの道具を扱います。通常、このような場合は空気圧式のジョイントなどを使い、その時々で扱う物体に応じてハンドを交換するのですが、今回はカフェの雰囲気を壊さないようにハンドの交換はせず、左右一対のハンドだけで全ての道具を扱えるようにしました。



――テレバリスタプロジェクトを通じて、よかったことやうれしかったことはありますか?

大谷:

テレバリスタプロジェクトが、テレビやSNSなど、たくさんのメディアで取り上げられたことです。メディアを通じて、普段ロボットを目にすることのない人々にも、自分が関わったロボットを見ていただけて、ロボットがさらに身近になる近未来を感じてもらえたのではないかと思います。そして何より、メディアを通じてOriHimeパイロットの皆さんが活き活きと働く姿を見ることができ、うれしさと同時に大きなやりがいを感じました。



――最後にメッセージをお願いします。

大谷:

分身ロボットカフェは、人の温かさと近未来感を同時に感じられる興味深い場所だと思います。一人ひとりがそれぞれの感じ方で、好きなように時間を過ごし、楽しんでいただきたいです。

パイロットの方々、スタッフの方々とこのカフェに関わることができ、とても貴重な経験となりました。またどこかで、皆さんと一緒に何かを作り上げることを楽しみにしております。



●「テレバリスタ(Tele-Barista)プロジェクト」とは

川田テクノロジーズオリィ研究所は、難病や重度障害などによる外出困難者でも、遠隔操作により手先を使った接客業が可能となる分身ロボットを開発する「テレバリスタ(Tele-Barista)プロジェクト」を発表しました。オリィ研究所が開発・販売する分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」と、KTIのグループ企業であるカワダロボティクスが開発・販売する協働ロボット「NEXTAGE(ネクステージ)」を組み合わせることで、遠隔地からでも、バリスタのような接客と手先を使った作業が可能なロボットを開発するプロジェクトです。



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▶ 星野さん(テレバリスタプロジェクトマネージャー)

▶ フロンさん(営業・SE)

▶ 川端さん(KRC技術部)



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