2022/10/04 社会 コミュニケーション

Tele-Barista(NEXTAGE)技術スタッフインタビュー 「DAWN ver.βで語る!」(その2)

2022年6月21日、開店1周年を迎えた 「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」(以下、「DAWN」)

テレバリスタ(Tele-Barista)プロジェクト」から、主に「NEXTAGE」側の開発に携わった川田テクノロジーズおよびカワダロボティクスのプロジェクトメンバーにインタビューする「DAWN ver.βで語る!」シリーズ。第2回は「テレバリスタ(Tele-Barista)プロジェクト」の 営業 兼 システムインテグレータ、フロン マキシム さんです。

「DAWN ver.βで語る!」シリーズ 前回の記事は 》 ★(その1)

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●Profile● フロン マキシム さん

Foulon Maxime ● カワダロボティクス株式会社 技術部技術二課SIグループ。フランス出身であり、分身ロボットカフェの海外展開を熱望している。



技術スタッフが教えるテレバリスタ体験ポイント!
「デモンストレーション開始直後のNEXTAGEは、あまり派手な動きがなく一見地味なのですが、実は安全でスムーズなテレバリスタ体験のために大事なアクションをしています。例えば、NEXTAGEの左腕が棚の上に向けてLEDを点滅させているときは、棚の上にフレンチプレスやケトルなどのコーヒーを淹れるための器具がちゃんと片づけられているかの確認です。もしもこれらの器具が置きっぱなしであったら一旦停止してスタッフへアラートするようになっています。ぜひ、動き出した直後のアクションにもご注目ください!」



――フロンさんは、テレバリスタプロジェクトで「営業兼システムインテグレータ」という立場でいらっしゃいますが、プロジェクトを遂行する上で心がけていたことはありますか?

フロン:

テレバリスタNEXTAGEのシステム開発では、何よりも安全面に配慮していました。
その中でも主に4つの点を心がけていました。「①NEXTAGEの動作がゆっくりで精密であること」、「②お客様とNEXTAGEの動作範囲に、十分な距離を保つこと」、「③デモンストレーションを行うときはコーヒーの器具が正しい位置にあるかを認識で必ず確認すること」、「④本番でトラブルが起こらないように複数テストを必ずすること」です。
テレバリスタのデモンストレーションがトラブルなく安全に行われ、お客様が安全面で不安を一切感じることなく楽しんでいただけるように がんばりました。



――テレバリスタプロジェクトを通じて、よかったことやうれしかったことはありますか?

フロン:

パイロットさんから「夢がかなった!」と、喜んでいただいたことです。
このプロジェクトは、バリスタ経験のあるOriHimeパイロットの「お客様のオーダーを取ってコーヒーをお届けするだけでなく、お客様の好みに合わせてコーヒーを淹れたい」という思いから動き出した経緯があります。
私たちの技術が、夢の実現につながったことがうれしかったです。



――NEXTAGEはもともと産業用として開発・利用されているロボットですが、テレバリスタプロジェクトでは、協働ロボットとしてこれまでの産業ロボットとは異なる改良をされたと聞きました。開発中に苦労した点はありますか?

フロン:

コーヒーを淹れる動作の安定性を高めることです。一杯目と二杯目のコーヒーが同量になるように努力していますが、これを安定させるのはなかなか難しいです。



――今だから言える、テレバリスタプロジェクトのウラ話などはありますか?

フロン:

テレバリスタでは「フレンチプレス方式」でコーヒー提供をしています。フレンチプレスはガラス製で、コーヒーを淹れるときは熱湯を扱います。
お客様に万が一のことが起こらないように、テスト段階ではさまざまな条件を想定し、何度もテストを実施しました。
手動で変数をいくつか入力してNEXTAGEの挙動テストをしていたときには、フレンチプレスの器具が落ちて割れてしまったこともありますが、条件を変えてたくさんテストを重ねることで、分身ロボットカフェがオープンするまでに、NEXTAGEの安全性を高めることができました。
デモンストレーション本番で、NEXTAGEがフレンチプレスを割ってしまったことはありません。



――最後にメッセージをお願いします。

フロン:

テレバリスタパイロットのみなさん。いつも熱心にコーヒーを淹れていただいてありがとうございます。
お読みいただいたみなさん。分身ロボットカフェにお越しいただき、ぜひNEXTAGEのコーヒーを召し上がってください。



●「テレバリスタ(Tele-Barista)プロジェクト」とは

川田テクノロジーズオリィ研究所は、難病や重度障害などによる外出困難者でも、遠隔操作により手先を使った接客業が可能となる分身ロボットを開発する「テレバリスタ(Tele-Barista)プロジェクト」を発表しました。オリィ研究所が開発・販売する分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」と、KTIのグループ企業であるカワダロボティクスが開発・販売する協働ロボット「NEXTAGE(ネクステージ)」を組み合わせることで、遠隔地からでも、バリスタのような接客と手先を使った作業が可能なロボットを開発するプロジェクトです。



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