川田工業、子どもの療育に役立つ癒しの空間「スヌーズレン」の体験会を実施
川田工業 は、2023年10月21日に1日限定で、東京本社の会議室に癒しの体験ができるスヌーズレンルームを設置し、小学生向けの体験会を実施しました。
スヌーズレン(Snoezelen)とは
オランダ語の「くんくん匂いをかぐ」と「うとうとする」という2つの言葉を合わせた造語です。光、音、触感、香りなど適度に心地よい刺激を与えることで、リラクゼーションや集中力の向上、コミュニケーションを促す活動です。
教育・療育分野でICTを活用する新領域へのチャレンジ
川田工業では、2021年より特別支援学校の課題解決に向け、脳性まひを持つ肢体不自由児に対し、スヌーズレン体験時における心拍センサーを用いた効果測定により、教材の「心地よさ」を検証しながら、教育・療育の分野でICTを活用する新領域に挑んでいます。
3年間にわたり実施した特別支援学校でのスヌーズレン検証では、障がいを持つ子ども60人以上の自律神経測定データを取得することができました。
そこで、今回の体験会では、小学校の通常学級に通う同年代の子どもとの比較検証を行うことを目的として、特別支援学校で実施したものと同じ環境を再現し、都内の公立小学校に通う子ども7名にスヌーズレンを体験してもらいました。
心拍センサーによる測定は、五感の専門家で共同研究パートナーである一般社団法人KANSEI Projects Committee の協力のもとで実施しました。
関連情報
2021年、越谷特別支援学校で実施した「多感覚を刺激するデジタル教材」のデモ体験会
いつもの会議室が心地よい「スヌーズレンルーム」に変身
今回は、川田工業東京本社の会議室をスヌーズレン体験会の会場としました。
窓などの採光を目張りで暗室にし、白いカバーを被せたエアートランポリン(約3.5メートル四方)、プロジェクター3台、スピーカー2台を設置し、海の魚やクラゲの映像と音によるバーチャル空間の中、ふわふわと揺れる触感が楽しめるスヌーズレンルームを作りました。
五感と体を使ってスヌーズレン体験する子ども達の自律神経データを測定
体験会は、小学1~5年生の子ども7名が参加し、午前と午後の2回に分けて実施しました。
参加した子ども達は、初めは見慣れない人や場所に緊張した様子でしたが、誰かが遊び始めたのをきっかけに、足をバタバタさせたりジャンプしたりと自発的に楽しんでいるようでした。
参加者全員に心拍センサーを用いたウェアラブルデバイスを装着してもらい、スヌーズレン体験時だけでなく、その前後の安静時も含めて自律神経を測定することで、スヌーズレン体験の効果検証を行いました。
スヌーズレン体験会の工程(心拍センサーを装着して以下の5工程を5分ずつ体験)
- ①体験前の安静時1
- ②明るい状態でエアートランポリンのみで遊ぶ
- ③暗室で映像1を体験(浅瀬の海と魚)
- ④暗室で映像2を体験(深海とクラゲ)
- ⑤体験後の安静時2
スヌーズレンは障がいの有無にかかわらず活用できる
今回の検証でも、スヌーズレン体験によるリラクゼーションや活力向上の効果が見られました。 これまでの特別支援学校における検証では、多くの子どもに「リラックスだけでなく、活力も向上していた」という効果が確認されており、「うまく刺激を調整すればもっと効果が出そう」といった可能性も見出されています。
今回の検証結果をもとに障がいの有無にかかわらず一緒に学び合う「インクルーシブ教育」について検討し、今後の教育・療育分野におけるICT活用の幅を広げていきたいと考えています。
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